動悸が引き起こす怖い病気

動悸は次のような病気が原因で起こっていることもあります。
似たような症状がある場合はすぐに病院で医師による診断を受けましょう。

■狭心症・心筋梗塞
狭心症は、心臓の筋肉に血液を送り込む血管が動脈硬化によって狭くなり、血流が不足して心臓が一時的に酸素欠乏状態に陥る疾患です。胸の中央からのどにかけて圧迫痛や呼吸困難、動悸といった発作が起こります。また、血管に血の塊が詰まって血管が完全に閉塞し、血流が途絶える心筋梗塞でも、不整脈による動悸や息切れが起こることが多くあります。

■不整脈
心拍動が標準値(1分間に60~100回程度)の範囲外で、心拍数が多すぎたり少なすぎたり、または心拍動のリズムが乱れるのが不整脈です。動悸とともに低血圧や失神、意識消失や心停止に至ることがあり、生命の危険にさらされることがあるので、心臓や循環器の専門医への受診が必要です。

■低血糖症
血糖値の異常な低下(通常50mg/dl以下)によって引き起こされる症状です。動悸、手足の震え、冷や汗の他、空腹感やイライラ感が募り、感覚が鈍ってきます。さらに放置していると、病状は進行し、異常行動、錯乱、痙攣発作に続いて意識を消失し、死に至ることがあります。また、糖尿病の経口治療薬やインスリンの投与量が多すぎたり、運動や長い空腹状態のときにインスリンが強く効きすぎたりした場合などに多くみられます。

■バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
全身の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、全身のエネルギー代謝が異常に高まる病気です。20代~30代の女性に多く、のどぼとけ下にある甲状腺の腫れ、眼球突出、動悸が主な症状です。その他、手のふるえ、息切れ、不眠、生理不順や無月経、発汗、体重減少などの症状もみられます。

■貧血
鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が薄くなった状態です。ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。動悸の他に倦怠感、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、頭痛、冷えなどの症状が起こります。

■更年期障害
閉経の前後、約10年間をさす更年期を迎えると、女性ホルモンのバランスが急激に変化し、心や体にさまざまなトラブルを引き起こします。動悸や疲れ、だるさ、肩こり、のぼせやほてり、イライラや不安感などの症状の他、めまい、耳鳴りが起こることもあります。

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